さて、シューケア用品紹介、ワックスと防水スプレーについてです。
まずはワックス
管理人が現在所有しているワックスです。
左がM.MOWBREYの、ハイシャインポリッシュ(色:ニュートラル)
右がTricker’sの、純正ワックス(色:コニャック)
前回記事で軽く触れたのですが、管理人はワックスをほとんど使用しません。
なぜか? 靴磨き(シュークリーム使用)で得られる自然なつやが好きだからです。
というのはもちろん本音なのですが、実をいうと面倒くさい、日常であまり靴を部分的に光らせる必要があまりないというのが大きいです。
まず、ワックスを使用した靴磨きで一番に連想されるのが、靴のトゥ(先端)とヒール(かかと)部分をひからせる、通称ハイシャイン(鏡面磨き)という方法です。
これは、結婚式等のめでたい席に出席する際など、足元をよりきらびやかに見せたいシーンで活躍します。
では実際に見ていきましょう。
革靴の種類の中でも、最もフォーマルとされる、黒のストレートチップ、内羽根式のものです。これは冠婚葬祭、就活の際などに間違いなく活躍する靴です。
上が靴磨き(シュークリームのみ使用)後の状態です。すでに自然なつやが靴に出ているのが分かります。それでは鏡面磨きしていきましょう。
トゥにワックスを添付します。下地を作るように塗り込んでいきます。
ワックスを塗りこんだ状態です。光らせたい部分によって、好みで塗り込む場所を変えてください。
2,3分そのまま待ちます。
その後、水を使用しながら、乾いた布で優しくなでるように何度も拭いていく工程を繰り返します。管理人は、靴に暖かい息をハーっとして、全体を均一に湿らせ、布で磨くを繰り返します。
約5分ぐらい、ハー、拭き拭きを繰り返した状態です。写真で比べると若干ですが、トゥの光の反射加減が増しているのが分かります。
このハイシャイン(鏡面磨き)という方法は靴磨きの最終工程の部分になります。シュークリームでの靴磨きで自然なつやをだし、ワックスを使用したハイシャインで部分的に光の反射加減を増し、華やかな足元を演出するといった具合です。
前回触れましたが、靴が光を反射するのは、革の表面をものすごく薄いろうが覆うことで化粧をしているためです。ワックスは成分のほとんどが、ろうになりますので、光らせるためのもの、また、防水効果、汚れ予防なども期待できます。
さて、防水スプレーについてです。各社から色々出ていますね。
上は、コロニル社の防水スプレーです。最近の防水スプレーはいわゆるフッ素系という、フッ化炭素樹脂といった化学成分がトレンドです。
コロニル フッ素系 防水保護スプレー 【 ウォーターストップスプレー 400ml 】
従来、防水スプレーは水が通らないように表面に膜を作り、革の繊維の隙間を埋め、革の表面をコーティングするシリコン系のものが主流でしたが、これは革の呼吸を妨げる可能性があるため、結果的に靴の寿命に影響するのではないかという議論がありました。
そういった流れの中で、フッ化炭素を主成分にしたものは水より小さい成分が革の繊維に染み込んで、防水効果を期待するもので、比較的革に優しいという特徴があります。
防水効果については日常的な靴磨きを実施している靴であれば、多少の雨であれば、防水スプレーなしでも特に問題ありません。日常的に防水スプレーをするのはコスト的に結構な痛手となります。
雨雪によるスムースレザー(一般的なツヤ革)のダメージに頭を悩ませるのであれば、スエードの革靴を上手に使いましょう。
雨雪などの日、管理人はもっぱらスエードの革靴(起毛させたもの)を使用します。
(スエード靴の手入れの基本は固めの毛でのブラッシング、栄養スプレーと防水スプレー)
スエード靴は雨の日に便利ですよ。表面をぽろぽろと水がこぼれていくのを見るのは中々楽しいものです。
なお、業種によっては、スエード靴NGのものもあるそうなので、そこは注意してください。そうでないなら、一足はもっていたい靴ですね。