今回は、革靴の補修に関して。つま先スチールの打ち直しと、かかとのトップリフト(ヒール)の交換について。
補修するのはトリッカーズのカントリーブーツ(マロンアンティーク)です。
2013年に購入してからはや8年。もともとレザーソールのブーツだったのですが、購入してからすぐにハーフラバーとつま先にスチールを入れる補修を実施していました。ガンガンと履いていたこともあり、つま先のスチールが減ってきましたので、打ち直しをすることにしました。補修工事する前の状態は以下です。
上の写真のように、スチールの先端部分が歩行によりざっくりと削れており、放置すると、レザーソールのコバ部分まで浸食するという状態です。なお、打ち直しの際には、基本的には、同じスチールを入れるので、それを取り扱っている(部品の調達が可能な)店舗を探す必要がありました。仕上げをきれいにするために、今回は贔屓にしている店舗にお願いすることにしました。
つま先スチールの打ち直しとともに、かかとのトップリフトも打ち直しへ。上の写真のように、長年の歩行で大きく削れています。まだ、ミドルリフトまで余裕があるのですが、試してみたいトップリフトがあったのです。
上の写真のトップリフトはビブラムの5mmなのですが、今回、ビブラムの10mmを試してみることにしました。型番でいうところの5345というものでして、最近でたものだそうです。なお、オールマイティで、人気があるのは下のような、5mm厚のものが多いです。
補修後の写真は以下です。スチールが新しくなり、トップリフトもきれいに仕上がりました。
補修工事費として、部品代込みで約5千円程度かかりました。これからまた、10年程度ノンストレスで履けると思うと安いものです。大事に履いていきたいと思います。
今回試したみたトップリフトのビブラム10mmですが、トリッカーズのようなコバのせり出した、ごついフォルムの革靴、ブーツには非常に会う印象です。仕上げの際に、靴の中心に向かって、しっかりと傾斜をつけるように削ってもらっているので、歩いた感じも非常に自然です。あと、若干のシークレットブーツ効果も期待できます。
逆に、例えばイタリアンな細身の革靴には、10mmという厚みは合わないでしょう。感覚的には、ぼてっとしたフォルムの革靴は、厚みを出しても合いやすいです。革靴でトップリフトの厚みも選択していきましょう。
補修工事後に、靴磨きを実施しました。
まずは汚れ落としから、馬毛ブラシでほこりを落とし、ステインリムーバーで古いクリームを落とします。
古いクリームを落としたら、ペネトレイトブラシを使用し、シュークリームを入れていきます。今回は、モウブレイのアニリンカーフクリームを使用します。
クリームをしっかりとなじませたら、馬毛ブラシでブラッシングし、仕上げです。
上の写真の状態で終了です。自然なツヤが出ました。追い込みたい人は、ここからクロスで磨き上げるとよいでしょう。私は、馬毛ブラシの自然なツヤ感がすきなので、仕上げ磨きで少し水を使いながら、丁寧にブラッシングして終わりです。ということで、今回はつま先スチールの打ち直しと、トップリフトの交換という記事でした。最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。